ケミカルフリーとは?

 「ケミカルフリー」という言葉、私は2015年から「グルテンフリー」な食生活を始めて2018年からは「レクチンフリー食」に拡大しながら、そのノリで「糖質フリー」(巷では糖質ゼロ等と言われていると思います)、さらには「飢餓感フリー」などと口走って?!来ましたが、その流れでちょっと前から「化学物質不使用」のことをケミカルフリーと言い始めたのでした。

 グルテンフリーレクチンフリーは海外から入って来た情報なので「ケミカルフリーも英語圏ではよく使われている用語かしら?」と思って検索してみたところ、サプリメント販売会社が「ケミカルフリー・ボディ」という社名にしているのが見つかったぐらい。

 日本ではYahoo知恵袋の質問で「ケミカルフリーとは?」というのが1件あったのと、日焼け止めで「ノンケミカル」とか「ケミカルフリー」と書いてあっても「紫外線吸収剤無配合」のことですよって書いてあるブログ記事が1つ見つかったぐらいなので、ほぼ使われていませんでしたね(^^)

 私は大学生になってメイクをし始めて、まもなく大手メーカーの「収れん化粧水」というのを使ってみたら付けた直後に顔全体が真っ赤になって炎症を起こしてしまい、それからは市販の化粧品はどれも肌が赤くなったり痒くなったりしてメイクができない時期が続きました。石けんも使えない状態で、あれこれ試しながら数ヶ月かかってやっと肌につけても大丈夫な基礎化粧品をとり揃えることが出来たという経験から、肌に触れるものは出来るだけ化学物質を含まない製品を選ぶようになったのでした。

 …なので計算すると30年以上「化学物質不使用」の製品を選ぶというライフスタイルだったので、私にとってはごく自然なことだったのですが、改めて健康オタクとしてのYouTubeライブや、こちらのブログで経験をシェアするにあたって「ケミカルフリー」という言葉を使うことにしたのでした。

 なのでケミカルフリーとは「化学物質不使用」ということを意味していて、出来るだけ化学物質が使われていない製品を使ったり、化学物質が入っていない食材を選んだり、水道水の塩素など既に添加された化学物質は除去してから使ったり飲んだりしたいですね、ということなのです。

アーユルヴェーダの叡智との出会い

ケミカルフリーについて熟考することになったのは、健康オタクだった私が「(IT企業でシステムの仕事をしていたにも関わらず)健康に関することで起業したい」と思い立ち、アーユルヴェーダという約五千年前から続くインドの伝統医学に出会ったことがきっかけでした。

 アーユルヴェーダの施術の中でも代表的なのが「パンチャカルマ」と呼ばれる浄化療法で、精製ゴマ油で全身マッサージを行い、さらに生薬を煮出した薬効のあるゴマ油で「ヴァスティ(オイル浣腸)」という腸洗浄を行うのが最も重要なパートです。

 私は2010年にインドで7週間滞在して(というよりアーユルヴェーダ入院)、6週間のパンチャカルマ(真ん中の1週間はヴァスティ)を受けました。

※本格的な施術は短くても2~3週間は必要なようです。(準備の施術1週間+ヴァスティ1週間+回復の施術1週間)

アーユルヴェーダのアプローチ
・体質や季節に合わせてバランスを保つ
・最善の生活習慣を心がける
 (睡眠、食事、ヨガ、呼吸法、瞑想…)
・体に溜まった毒素を排出していく
・毒素が溜まらないような生活
 ※「未消化物」も毒素
 ※1回の食事量も消化し切れるように
大好きなシロダーラ

アーユルヴェーダでは「未消化物」が毒素であると捉え、最適な食事の量や内容を留意していくのですが、自分でも日々実践していくにつれて「現代における毒素は未消化物だけではない」ということがクローズアップされてきたのでした。

もしかしたら「化学物質=生分解できない=未消化物=毒素」ということにもなるのかしら?

経口摂取/呼吸/経皮吸収

30年以上、自然な流れで出来るだけ化学物質が使われていない製品を使ったり、化学物質が入っていない食材を選んだり、水道水の塩素など除去してから使ったり飲んだりしてきたけれど、今回(2022/5/6配信の)YouTubeライブでお話しするにあたって下記のように整理してみました。

経口摂取するもの

呼吸から取り入れるもの

経皮吸収するもの

ざっと見まわして書いてみたので、カバーできていないのも何かあるかも知れません。

経口摂取
・農薬(野菜、果物、食肉、養殖魚などから)
・加工食品・飲料、化学調味料、業務用揚げ油、水道水
・西洋薬(化学合成物質)
呼吸から
・消臭剤、芳香剤、除菌剤、虫よけ、建材の化学物質、排気ガス他 PM2.5(微小粒子状物質)
経皮吸収
合成界面活性剤・合成保存料その他、化学合成物質入りの生活用品

経口摂取① 農薬

殺虫剤、除草剤、防カビ剤など他
・野菜
…無農薬栽培でない場合。外側を洗っても中の水分はどうなのかな?と思ってしまう。
・果物
…栽培中の農薬と、収穫後もワックスや防虫剤、防カビ剤なども使われるものがありますね。(輸入品は特に)
・食肉や牛乳
…牛・豚・鶏など家畜のエサに農薬が多用されていれば肉・乳・卵に含まれますね。
・養殖魚
…安い魚餌には穀類や豆類が多く含まれているので無農薬でない限り同じこと。


遺伝子組み換え食品とは
・農薬に強い種
(つまり農薬が多用されている)
・防虫効果がある種(つまりレクチン物質がたくさん含まれている)

農薬の歴史を調べてみると、日本では大正時代(1920年代)に使用が始まって、第二次世界大戦後(1950年代)から広く使われるようになったようです。

経口摂取② 加工食品から…

加工食品
保存料、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤
発色剤、合成甘味料、合成着色料


プラスチック容器・缶詰などから
BPA(プラスチック製造時の添加物)など他


瓶詰から(特に輸入品?)
保存料、防カビ剤など他

食品添加物…日本では、1948年、食品衛生法が施行され、食品添加物として食品に使用しても良い化学合成品60種類が決められた

経口摂取③ 揚げ油、水道水

業務用揚げ油(シリコーン)
・コンビニやファストフード等で使う揚げ油はシリコーンが入っているそうです。普通の家庭用の油で揚げ物をしていると、泡が出て来て揚げ物に付着し、見栄えが悪くなりますね。
シリコーンは「泡立ち」「油はね」などを防止してくれるので業務用の食品添加物として入っていることが多く、揚げ油が何度も繰り返し使えるようになるそうですが、化学物質です。


水道水から(塩素)
…塩素のお蔭で水道管の中も水が安全な状態で運ばれてきますが、蛇口から出た後、体にとって良いことは無いので上手に除去して活用したいものです。お風呂用には浄水できるシャワーヘッドなどもありますよね♪

水道水の塩素消毒

日本では1921年(大正10年)に始まり、1957年(昭和32年)に水道法が制定されて現在の基準値
蛇口で検出される塩素の濃度(残留塩素濃度)を0.1mg/L以上保持

経口摂取④ 西洋薬

西洋医学で処方される薬は化学合成物質ですね。漢方を処方してくれる西洋医学の医師もいらっしゃるのかしら…?その場合、保険は適用される? (私の経験では自費診療で保険適用外でした)

私は2008年の終わりに関節リウマチを発症して最初から重度でしたが、2014年に初めて薬物治療を受けることにして約1年間リウマチ薬を飲みました。主治医からは「薬は体外に排出されるから大丈夫」と言われましたが、多くの薬を常用すると肝臓への負担が大きそうだな…と感じます。

抗生物質は娘が小さい頃に小児科でもよく処方されましたが、必ず乳酸菌が入ったビオフェルミンとセットでしたね。子供の病院や薬について、夫婦間で意見が真逆なので難しかったです。

・化学合成物質
体外に排出されるというけれど…
(例えばサプリメントの摂り過ぎでも肝臓障害を起こす。)

・抗生物質
(体内の善玉菌まで死滅させてしまう)
(抗生物質は、食肉や牛乳、養殖魚からも)

・薬の副作用
◎即効性はあるので対処療法としてうまく使い分ける

呼吸から…

何を吸い込む可能性があるかしら?と考えてみると下記のとおりでした。農薬が使用されている土地では、それも吸い込んでしまいそう…。

・消臭剤、芳香剤
・除菌剤、虫よけ
・建材の化学物質
・排気ガス他PM2.5

※PM2.5=微小粒子状物質

経皮吸収

合成界面活性剤・合成保存料その他、化学合成物質入りの日用品で肌に触れるものをピックアップしてみました。

洗濯洗剤は、洗濯機のすすぎの回数では充分ではないようで衣類に残りますね。私は化学合成物質入りの洗濯洗剤だと、干す際に手が荒れてしまいます。乾いた後も、汗をかいたら経皮吸収しそうです。

台所洗剤や掃除用品は、ゴム手袋をはめれば手は守られますが、食洗器のすすぎが不十分な感じや、床など裸足で歩く際にどうなのかな?と思ってしまいます。


・洗濯洗剤、台所洗剤、掃除用品
・シャンプー、リンス、ボディソープ、入浴剤
・歯磨き粉、洗顔料、ハンドソープ
・日焼け止め、虫よけ
・化粧水、乳液、クリーム類(ハンドクリーム)
・メイク用品
・生理用品

「経皮毒」という表現

以前「経皮毒」に関する本が何冊か出ていたのは知っています。今回ネットで検索してみると、自然由来の化粧品や日用品を販売する業者が販売促進のために広めている用語だという記事をいくつか見かけました。

また学会や医療雑誌などで認められた研究論文が無いと言われていたり…。でもその情報発信元が化学物質を使用した製品のメーカーや販売者だったりするので、本当のところはよくわかりませんね…。

薬品を経皮吸収させるには分子が小さい「界面活性剤」で包みこまないとならないからという主張も見かけましたが、「界面活性剤」そのものが経皮吸収されるのでは?と思ったり。

・湿布などの貼り薬、薬草湿布の伝統も。
・精油を塗って薬効を得る伝統も。

環境(生態系)への影響

生分解できない化学物質は、排水口から川や海に流れていきます。

私たちが使う洗濯洗剤、台所洗剤、掃除用品、シャンプー、リンス、ボディソープ、入浴剤 etc.…に化学物質が使用されていると、家庭排水として川や海に流れ込んでプランクトンや魚が影響を受けているのです。

クラスメイトが下水処理の技術者で現場の水質を日々管理しているので聞いてみたところ、微生物に下水をキレイにしてもらっているので有機物を分解しているんですね。そして時々(化学物質量が多くなるからなのか)微生物が全滅してしまう時もあるとのこと。

どちらにせよ生分解できない物質はそのまま川・海に流れ込んでいるようです。

合成界面活性剤ほか、化学合成物質入りの排水が川や海に流れていく(生分解できない)

洗濯洗剤、台所洗剤、掃除用品、シャンプー、リンス、ボディソープ、入浴剤 etc.…
スクラブの粒(プラスチック製)

💡下水処理の技術者に聞いてみた!

※市販のスクラブ洗顔料のつぶつぶはプラスチック製なのですが、細かすぎて下水処理場ではキャッチできずに川・海に流れ込んでいるようです。

指定成分の歴史

今年に入って、私たちが触れている化学物質について(健康オタクの私のアンテナがピピピッと反応し)改めて検証していく中で指定成分の表示について2001年に変更があったことを知りました。

冒頭に書いたように私は約30年前から市販の日用品をほとんど買わなくなっていたからか、このことに気がついていなかったのです。

1980年:厚生省が102種類の化粧成分をアレルギーを引き起こす可能性がある「指定成分」として表示を義務づけた。
背景…1965年頃から日本に石油化学合成物質を使用した液体シャンプーやリンスなどの商品が出回るようになり、肌荒れやアレルギーを起こす人たちが激増したため医師たちが「指定成分」を特定し、政府が認定した。

2001年4月の薬事法改正で、化粧品の「全成分表示」が義務付けられた。
⇒ 消費者は、どの成分がアレルギーを引き起こす等、体に害を及ぼすものかを自分で判断しなければならなくなった。

2001年4月3日 読売新聞 記事見出し
「選んだあなたの責任に。」

あと、「洗剤」と「化粧品」で成分表示(名称)や管轄・法律が異なることも分かりました。

「問題」というか、消費者にとって非常に分かりにくい状況がずっと続いていますね。

2022年4月下旬にスタートした健康オタクLIVE(隔週土曜 夜8時~)で、前半の30分間で私の「健康オタク」ネタというか、体験やオタク情報をシェアし始めたわけですが、ケミカルフリーについてはここでタイムオーバー! 次回(5/14配信)に持ち越すことになりました。

なので取り敢えず結論を出しましたが、でも本日5/15時点でも結論は変わらずです☆

結論

西洋薬など即効性がありますし、命が救われたり、重症な状態から立て直してくれたり、手術などの際には必要な処置ですよね。

また食品に関しては食中毒を防いでくれるという利点もありますが、私たちが便利さを求めすぎた結果(あるいは消費を煽られた結果?)、化学物質を使い過ぎてしまっている状況にあると思います。

化学物質多用の歴史は、日本では70数年。

口から、呼吸から、皮膚から、多くの化学物質を取り込んで、不快な症状や病気になって化学物質の薬を多用するというサイクルの限界に来てしまっているような気もします。(ひとつ前の記事で取り上げたように、免疫を作ってくれる腸内細菌たちが、化学物質の多用に寄って非常に少なくなってしまっているのが私たち現代人です)

化学合成物質は必要最小限、上手に使いこなして、出来る限りケミカルフリーなものを選んで行きたいものです。

続きは2022/5/14配信の「健康オタクLIVE」最初の30分でお話しし、審美歯科医の山本エレナ先生も最後55分30秒あたりから歯科医の観点から経皮吸収の件を語ってくれました。